「だから我々は、考えなければならないのだよ。
その力が 何のために存在するのかを」
いつの間にか、彼は森の中に居た。
何故自分はこんな所に居るのだろう?考えようとしたが、どうしても出来ない。
まるで頭に霧がかかったみたいで、ひどく不愉快で奇怪な感じがした。
しかし、そんな考えは、標的を目にした瞬間消え失せた。
あれだ!彼の体に直感めいたものが走る。
姿を見た事がある訳でも、噂を知っている訳でも無い。だが、きっとそうだ。
この世で唯一、翼持つ者・・・・・世界を創りし神。その実体は、ピンクの髪の小さな女の子。
「ちゆタン・・・・(;´Д`)ハァハァ 」
じっと息を沈め、木の陰から様子を伺う。大丈夫だ、自分の存在は気付かれていない。
ふと気付けば彼の手の中にはずしりと重い―――銃があった。
いつ自分はこんな物を手に入れたのだろう、などとは思わなかった。
これさえあれば・・・・出来るのだから。
向こうはまだ、気付いていない。
すぐ側に神への反逆者が潜んでいる事を。武器を手にした驚異が隠れている事に。
そう、それで良いのだ。思わず彼は、ほくそ笑んだ。
銃を構える。
不思議と発砲する事への畏れは無かった。ただ、全身を奇妙な高揚感が覆っていた。
まるで別の何かに、全身を取って替わられたかのように。
引き金を引く。一発、二発。
森の中に銃声が響いた。
「なっ!?」ちゆは咄嗟にきゅーちゃんを抱き上げ、音のした方を振り返った。そこには・・・・
「・・・17歳?」
どうして、いやそれよりも。
「きゅーちゃん、逃げますよ!!」「きゅう♪」ちゆは走り出した。
少女が逃げるのが見える。「逃がさないよ!!」すかさず、17歳は追った。
その顔に、悪意に満ちた笑みを浮かべ、一層強く銃を握りしめて。
・・・・これさえあれば、自分が神になる事だって 出来るのだから。